昨今のメダカブームの中、さまざまな名前と特徴をもつ改良メダカが、次々に作出されています。
今回は、そんな改良メダカから、「東天紅」についてご紹介していきます。

東天紅の特徴

東天紅メダカとは、「楊貴妃ヒカリ体型メダカ」のことであり、それぞれの特徴を有しています。

ヒカリ体型

横から見たヒカリ体型のメダカ

普通体型のメダカの場合、尾びれはゆるやかな三角形をかたちづくり、背びれと尻びれの形は背骨を中心にみて非対称です。
一方でヒカリ体型(Da変異体)のメダカは、尾びれはひし形であり、背びれの形状が尻びれ化しているため、背骨を中心に上下対称の体型をしています。

上から見たヒカリ体型のメダカ

また、背側に腹側の特徴が発言するため、本来腹部にある銀色(虹色素胞:グアニン)が背側に発現し、背中が光って見えるのも特徴です(個体差があります)。「ヒカリ」の名称はこの特徴に由来します。

体色

東天紅

楊貴妃メダカと同様に、朱赤の体色を特徴としています。
しかし、ヒカリ体型では背側に銀色が発現するため、朱赤は主に頭部やヒレなどではっきりと発色します。
朱赤の体色は、黄色素胞に含まれる、カロテノイド(カロチノイド)が影響しています。

「東天紅」と「東天光」

東天紅

この「とうてんこう」ですが、販売店やインターネットなどでは、「東天紅」・「東天光」2つの表記が見られます。
いずれも、特徴としては「楊貴妃ヒカリ体型」のメダカを指します。
作出された方から広まっていく過程において、表記が分かれてしまったものと考えられます。

東天紅の作り方

卵をつけた東天紅

現在流通している東天紅は、ブリーダーや愛好家によって累代が進めれれている個体がほとんどです。ヒカリ体型同士のペアからは、体型を受け継いだ稚魚が産まれてきますので、入手した東天紅同士でペア組みさせれば、繁殖させることができます。

また、ヒカリ体型の発現を促すDa(Double anal fin)遺伝子は不完全優性であるため、普通体型に見える個体であっても、背びれの軟条の数などで、Da遺伝子を持つ個体を見分けることも可能です。

Da遺伝子の軟条への影響
Da遺伝子による軟条への影響


気の長い話ですが、Da遺伝子を持つ楊貴妃ペアを見つけ、交尾させ、累代していくことできれば、東天紅をつくることができるかもしれません。

まとめ

改良メダカとしては比較的シンプルな東天紅ですが、ヒカリ体型の独特なシルエットと、楊貴妃由来の美しい朱赤とで、非常に鑑賞の楽しい種類のメダカです。
ぜひ、いちど、お手元で飼育や繁殖を楽しんでください。

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