産卵床についたメダカの卵を見ているとカビが生えているのを見かけることがあると思います。今回は、カビが生えてしまった卵が他の卵になぜ悪影響を及ぼすのか、またどのような対策が有効なのか紹介したいと思います。
目次
カビが生えた卵
水カビは飼育水の中に常に存在しています。メダカの無精卵は水カビが非常に生えやすいです。

産卵床についているカビが生えているメダカの卵を拡大したものです。
無精卵であるこの白い卵の周りを覆っている白っぽいフワフワとしたものは水カビと呼ばれるものです。
水カビが生えた卵の、他の卵への影響
水カビは放っておくと繁殖していきます。もしその水カビの近くに受精卵があった場合、2つのことが原因で受精卵が死んでしまう可能性があります。
酸素

受精卵も呼吸をしています。もし水カビが受精卵を覆ってしまうと、受精卵のまわりの水が滞留してしまい、新鮮な水に触れ流ことができなくなってしまします。よって酸欠になり死んでしまうのです。
アンモニア

受精卵はアンモニアも出しています。アンモニアは有毒です。酸素の場合と同じ理屈ですが、受精卵が水カビに覆われてしまうと、せっかく排出されたアンモニアが卵のまわりで滞留してしまい、受精卵が死んでしまいます。
水カビが生えない対策
無精卵を取り除く

水カビは高確率で無精卵に生えてきます。卵は栄養の塊だからです。なので、水カビが好む無精卵を取り除くことで繁殖を防ぐことになります。
無精卵は受精卵と比べてかなり柔らかく潰れやすいですが、簡単に手で取り除くことができます。
エサのやりすぎに注意する

メダカが食べ残してしまったエサも水カビの原因となります。最近のメダカのエサは脂肪分が多く入っているなど栄養価の高いものも多く、水カビも好むものとなっています。
メダカへのエサやりは少量を複数回に分けて与えることがいいとされていますので、食べ残しのないように与えましょう。
スネールやヌマエビをいれる

スネールやヌマエビは水カビも好んで食べます。水カビの予防やもし発生してしまった時のことを考えて入れておくのはいいことです。
番外編(銅イオン)
メダカのブリーダー様の中には10円玉をメダカが入っている容器に入れている方がいらっしゃいます。
出典:淡水魚の卵菌類に起因する真菌病の防除法に関する研究より引用
メダカでは実験されていませんが、ニジマスの卵を用いた水カビの実験では銅イオンが水カビの胞子を抑制することが発見されたようです。
しかし、水カビを直接死滅させる訳ではないので、胞子を発芽させないための予防の手段として考えるのがいいでしょう。
実際10円玉をいれて管理することは、銅イオンのppmの管理が個人レベルでは難しかったり、10円玉に付着している雑菌の処理だったりと大変ですので、おすすめしません。
まとめ
水カビは放っておくと繁殖もしてしまう厄介なものです。しかし、水カビを放っておくと、せっかくのメダカの受精卵が死んでしまうことにもなりますので、きちんと対策してあげることが大事です。


