メダカの品種改良も進み、最近ではメダカのアルビノも出回るようになりました。
今回は、アルビノメダカの飼育においての注意しなければいけない点や、遺伝子を見てどううしてアルビノが生まれるのか解説します。
目次
アルビノメダカとは
黒色や黄色が入る細胞に色が入るのを抑制したり、メラニン形成を抑制するような遺伝子を持ったメダカです。遺伝子型によって目の色は若干の濃淡がありますが、目は赤っぽく、体は白色が基本です。
遺伝子型や個体差によっては体色は色が入り、目だけにアルビノ特有な赤色が入ったりします。
アルビノメダカと普通メダカの飼育方法の違い
アルビノメダカも普通メダカと同じように飼育して構いません。
しかし、アルビノメダカは普通のメダカと比べてエサを食べるのが下手だったり、卵の孵化率も高くありません。よって、飼育する場合は、他のメダカと分けて飼育してあげるのがよいでしょう。
2種類のアルビノメダカ
アルビノのメダカは遺伝型に分けると2種類います。それでは、どのような違いがあるのか見ていきましょう。
メダカのアルビノ遺伝子が単純劣性の場合
白子(albino)は劣性の白子遺伝子i(弥富産)、i2(安城市)、i3(鳥取市)によって生じるが、これらの遺伝子は、黒色素胞のみならず黄色素胞の色調も淡くするし、白色素胞の発達を良くする。
出典:株式会社大学教育出版
メダカ学全書より引用
i…黒色素胞におけるメラニン合成を阻害し、黄色素胞の黄色色素沈着も減少させる。
i2…胚のとき、小型の黒色素胞が生じやすい
i3…iと同じ形質
アルビノ遺伝子と呼ばれるi遺伝子は、メダカの黒や黄色といった体色を決める色素胞の色調を淡くし、白色素胞の発達を良くすることによって白色に見えるのです。
この場合、メラニン形成を支配する因子とは独立しているので、メラニン色素で色を表現することが可能です。
メダカのアルビノ遺伝子がホモ(ii)の場合
劣勢上位性(reccessive epistasy)で、チロシナーゼ活性がなく、メラニン形成を抑制するし、Rやrdの発現も抑えるため、ibばかりでなくiBも白子になる
出典:株式会社大学教育出版
メダカ学全書より引用
チロシナーゼとは、メラニン色素をつくり出す色素細胞が持っている酵素のことで、メダカのアルビノ遺伝子がホモ(ii)であればこのメラニン形成が抑制されるというのです。
アルビノメダカの遺伝を利用した掛け合わせ
アルビノメダカの掛け合わせは他のメダカ同様、様々な可能性があります。
例えば、アルビノ遺伝子は白色素胞の発達を良くしますが、白色素胞を失わせる遺伝子を掛け合わせると、見た目は白色素胞がないメダカが誕生します。
自分の思い描いたメダカを作出するのもメダカ飼育の醍醐味ですので、まだアルビノメダカの飼育・繁殖をした事がない方はぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
アルビノメダカ特有の目や色を好んで飼育する方は多いです。
普通のメダカと比べるとエサを食べるのが下手だったりするのも、観察しているとかわいく見えてくるものです。ぜひ、これからも大事にアルビノメダカを飼育してあげてください。