メダカを飼育していると、アナカリスという水草の名前を目にすることが多いです。アナカリスはメダカとの相性もよく、誰でもかんたんに飼育できるとても人気のある水草です。今回は、アナカリスの生態や育て方について紹介したいと思います。

アナカリスとは

水槽を泳ぐメダカとアナカリス

トチカガミ科に属するオオカナダモ類です。このオオカナダモをアナカリスと呼ぶことが多いです。オオカナダモは日本に元からいる水草ではなく、大正時代に実験植物として輸入された南米原産のものです。

アナカリスと間違えやすい種類と特徴

アナカリスと非常によく似たコカナダモは北米原産のものです。その他に似ている日本原産のクロモと呼ばれるものもいます。それでは、それぞれどのように違うのか見ていきましょう。

3種類のカナダモ類

全体で見るとかなり分かりにくいですね。一番の特徴である葉っぱに着目してみましょう。それぞれ葉っぱの形と枚数に違いがあります。

カナダモ類の違い

・アナカリスは葉っぱが4枚で、形状はまっすぐです。
・コカナダモは葉っぱが3枚で、形状はよじれているものが多いです。
・クロモは葉っぱが4〜7枚で、形状は反り返っているものが多いです。

アナカリスの育て方

メダカ水槽の中のアナカリス

アナカリスもコカナダモも、日本に輸入されたものは全て雄株であり、切れていくことでどんどん増えていきます。
筆者はアナカリス、コカナダモ、クロモの全てを育てていますが、どの種類にも共通して言えることは、水と光さえあればかんたんに飼育できます。同じ水槽で育てても問題ありません。水中に浮かべるだけでもいいですし、底砂にソイル等を敷いているのであればレイアウトを考えて植え込んでも面白いかもしれません。
水質も弱酸性〜弱アルカリ性に耐えることができ、適水温もメダカと同じような20〜28℃を好みます。

アナカリスが溶ける原因

アナカリスはいくらかんたんに飼育できるからといって、急激な水質変化は枯れてしまいます。これは水中で溶けてしまう現象です。しかし、溶けたからといって見捨ててはいけません。その急な変化が起きたあとの水質に対応できる新芽がでることがあります。

アナカリスの新芽

これは筆者が外で飼育しているアナカリスです。冬を越した方は溶けかかっており、水温が上がってくる春に向けて新芽と根っこが出ています。いろいろな環境に対応できることがアナカリスの飼育の容易さと言えるでしょう。

アナカリスの入手方法

アナカリスはその環境適応能力の高さから、いろいろなところで繁殖しています。日本だと、北海道以外で自生しているのをみかけることがあります。東北でも温排水のある水路では自生します。
今では通販でも購入可能ですが、水路や池などに自生していることがありますので、ぜひ自然の中から入手することにチャレンジしてみてください。

アナカリスのトリートメント

バケツの中のアナカリス

自生しているアナカリスを飼育する際は、スネールなどの貝類がくっついてくることがありますので、気になる方は駆除すれば問題ないでしょう。
通販でも自然に自生しているアナカリスでも気をつけなければならないのが農薬です。通販業者ではアナカリスが食べられないために薬品を入れていたり、自然の中では農薬がついていたりしますので、トリートメントは必須と言えます。
一番かんたんなトリートメント方法は、水道水で洗うことです。水道水で洗ったあとは1日程度、溜めた水道水に浸せばトリートメント完了です。

まとめ

メダカととても相性のいいアナカリスですが、その環境適応能力の高さがメダカとの相性の良さを出していると言ってもいいでしょう。アナカリスの過密飼育は夜間に水槽の酸欠を引き起こすことがあり注意が必要ですが、その見た目の美しさからアクアリウムにもとても人気があります。かんたんに育てることができますので、ぜひみなさんもチャレンジしてみてください。

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