なかなか孵らないメダカの卵。それはもしかすると無精卵かもしれません。
今回は、無精卵と受精卵の違いから、その原因と対策までをご紹介します。
無精卵の見分け方
見た目
受精卵は透明であるのに対し、無精卵は白っぽく濁ったような見た目をしています。
硬度
受精卵はある程度の硬度があるため、指やピンセットでつまんでも、よほど力を込めていない限り、つぶれてしまうことはありません。
一方で、無精卵の場合は簡単につぶれてしまいますので、卵を一つずつ採卵するような場合は、簡単に判別することが可能です。
※受精卵の硬化が完了するには、受精からおよそ40分かかるとされています。受精間もない卵はつぶれてしまうおそれがありますので注意が必要です。
無精卵の発生原因
メダカは、メスが体外に放出した卵に、オスの精子が侵入することで受精します。
メダカの精子は1~2分しか活動できず、また未受精卵の受精能力も放卵から6分後には失われてしまうといわれています(淡水環境下)。
そのため、メダカの卵が受精させるには、放精と放卵を同調的に行う必要があり、交尾の際にオスが背びれとしりびれでメスを抱え込むのは、精子が卵に侵入しやすくするためです。
無精卵が多いのは、ほとんどの場合、この繁殖行動(交尾)がうまく行えていないことが原因です。
ヒレ長やダルマなど、体型に特徴のある品種に無精卵が多いのもそのためです。
無精卵のデメリット
無精卵には水カビが発生しやすく、一度発生したカビは付近にある受精卵にも伝播感染することがあります。
受精卵を守るためにも、気が付いた段階で排除することをおすすめします。
無精卵を減らすには
無精卵を減らすということは、すなわち、うまく交尾をさせるということです。
隔離する
一つの容器内で複数匹のオスメスを飼育している場合、他の個体、特にオスによって交尾が妨害されることがあります。
ペアが成立しているようであれば、別の容器に移してあげることで、妨害にあうことなく交尾を完遂できるようになります。
様子をみる
うまく交尾を行うためには、オスメスの同調が必要です。若いメダカや、ペアとなって間もないメダカでは、交尾自体がうまくできていないことがあります。
卵の産み始めは無精卵が多くとも、個体・ペアとして成熟するにしたがって、受精卵が増えてくるはずです。
まとめ
せっかく産んでくれた卵でも無精卵であれば、孵化することはありません。
メダカのペアがうまく交尾ができる環境を整えた上で、焦らず時間をかけてあげることが、無精卵を減らすことにつながるはずです。