メダカを飼育していると、ダルマメダカと呼ばれる体型のメダカを耳にすることがあると思います。今回は、ダルマメダカや半ダルマがなぜ生まれるのか、そしてダルマメダカのオスメスの見分け方や、なりやすい病気の紹介をします。

ダルマメダカの体

異常な椎体数が増すごとに尾部から頭部の方向へ椎体の欠失が多くなる

大学教育出版:『メダカ学全書』より引用

2匹のダルマメダカ

ダルマや半ダルマは椎体の欠失で体が短くなってしまうのです。
ダルマと半ダルマの明確な区別の仕方はありませんが、ダルマ体型と通常体型の間が半ダルマと思っていただいていいでしょう。

ダルマメダカと水温の関係

ダルマメダカが発生するのは、卵が高い水温の影響を受けた時です。

比較的低い温度(20℃)で発生させると10〜20%の発現を示し、高温(28℃)で発生させると100%近い発現を示す。

大学教育出版:『メダカ学全書』より引用

水槽の中の水温計

つまり、メダカの卵を入れている容器の水温を28℃以上にしておけば、ほぼ100%の確率でダルマメダカが産まれるのです。しかし、椎体の欠失が少ない個体は、普通体型との見分けすらつかない可能性もあります。
椎体の欠失の数を飼育者側でコントロールできないため、ダルマ体型や半ダルマなどを選ぶことはできません。

ダルマメダカの遺伝

ダルマメダカを遺伝させることはできるのでしょうか。それは、ダルマメダカの持つチヂミ因子と言われるものが関係しています。

チヂミ因子(fu-1)はセムシ因子(脊椎湾曲、wavy:wy)と共に常染色体上にあるが、リンケージ関係になく、体色や性とは独立して遺伝する単純劣勢の形質である。

大学教育出版:『メダカ学全書』より引用

ダルマメダカの上見

ダルマメダカの性質は遺伝させることが出来ます。それでは、どのように繁殖させればよいのでしょうか。まずはオスメスの見分け方から紹介します。

ダルマメダカのオスメスの見分け方

ダルマメダカは横から見てオスメスを見分けるのが分かりやすいでしょう。見分けるポイントは、ヒレの3箇所です。

ダルマメダカのオスメス

背びれは、オスには切れ込みが入っており、メスにはありません。
胸びれは、オスは丸く小さく、メスは大きく尖った形をしています。
腹びれは、オスは平行四辺形のような形で、メスは台形のような形をしています。
ダルマメダカのオスメスが見分けられるようになったら、繁殖についてみてみましょう。

ダルマメダカの繁殖

ぷりぷりしていて可愛らしい体型のダルマメダカですが、有精卵を得ることはとても難しいです。なぜなら、体が短いその体型故に、オスが上手にメスを腹ヒレで包み込むことができないため、無精卵が多くなってしまうのです。
有精卵を得るためには、普通体型に近い半ダルマ体型の個体の方が有精卵はできやすいです。

ダルマメダカ

筆者が育てているダルマで、一番有精卵を出してくれるオスです。これ以上のダルマ体型だと有精卵が出る確率はかなり下がります。このオスのダルマ体型を参考に、繁殖させる個体を選んでみてはいかがでしょうか。

ダルマメダカの寿命

砂時計

メダカの寿命は、飼育下だと2年半〜3年は生きると言われています。ダルマメダカだけで飼育すると、普通体型のメダカと同じような寿命と考えていいでしょう。
しかし、ダルマメダカは通常のメダカと比べて極端に遊泳力が落ちます。よって、同じ水槽で飼育した場合、ダルマメダカはエサの食べ負けがおきてしまい、やせ細ってしまうことがあります。ダルマメダカの混泳は寿命を縮めることになりかねるので、やめたほうがいいでしょう。

ダルマメダカの転覆病

水槽用ヒーター

ダルマメダカがなりやすい病気の一つで、転覆病という病気があります。お腹を上にして泳いでしまう病気で、冬によく起こる病気です。他の個体に感染することはありません。様々な要因が原因で起こる病気で、治療法も確立されていません。
筆者の飼育しているダルマメダカも春先に発病し、克服した事があります。こまめな水交換や塩浴などをしましたが、良くなりませんでした。そこで、冬に使用していたヒーターを導入して2〜3日様子を見てみると、なんと徐々に復活してきたのです。ほんの一例ではありますが、転覆病になった時は試してみるのもいいかもしれません。

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まとめ

抱卵したダルマメダカ

ダルマメダカはそのぷりぷりとした可愛らしい体型から、とても人気のあるメダカです。狙って自分好みの体型を出すのはとても難しく、繁殖させるのも難しい種類です。
しかし、飼育方法は通常のメダカと何ら変わりはありませんので、ぜひ皆様もダルマメダカの飼育にチャレンジしてみてください。

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