生まれたばかりのメダカの稚魚を見てみると、種類によっては親のメダカと色が違うことがあります。
今回は、メダカの稚魚がなぜ親魚と色が違うのか、いつから色が変わりだすのか、そして、メダカの稚魚の色の例としてみゆき楊貴妃の稚魚がどのような色をしているのかを紹介します。

メダカの稚魚の色が親魚と違う3つの理由

数字を現したおもちゃ

メダカの稚魚の色が親魚と違う理由は3つあります。それは、色素が入っている細胞の分布が変わる、ウロコの有無、遺伝的なものの3つです。
それでは、この3つの詳細をみていきましょう。

色素が入っている細胞の分布が変わる

メダカの稚魚

変温動物が持っている色素の細胞を色素胞といいます。メダカは4種類の色素胞を持っており、稚魚から成魚になるときに、この色素胞の分布が変わるのです。

黄色素胞xanthophoreは、孵化直後から現れはじめ、成長に伴ってその分布状態が多少変わる

出典:株式会社大学教育出版
メダカ学全書より引用

色素胞の分布が変われば体色も変わって見えるため、稚魚と成魚の色の違いが出るのです。

ウロコの有無

ウロコを模した布

メダカの色が決まる要素の一つとして、ウロコの色も関係します。
きちんと色が入っている色素胞がウロコに入ればそれぞれの色になります。黒色素胞が入れば黒くなり、黄色素胞が入れば黄色やオレンジ、朱色のようにみえるのです。
生まれたばかりの稚魚はウロコがありません。なので、親のメダカが色やラメの入ったウロコ持っている場合、その色は生まれたばかりの稚魚には出ないのです。

遺伝的なもの

メダカの稚魚

黒褐色が優位で、緋(橙)色が劣勢である典型的なメンデルの法則に従うことを確認している。この他に、緋色が白色に対して優位である

出典:株式会社大学教育出版
メダカ学全書より引用

メンデルの法則に従うと、親メダカが黒褐色と緋色であれば、その稚魚は全て黒褐色です。よって、緋色の親のメダカと同じ色にはならないでしょう。

メダカの稚魚はいつから色が変わるのか

メダカの稚魚

一番色が変わってくるのは、ウロコがはえてくる時期からと言っていいでしょう。この時期になると発達していなかったヒレも発達してくるようになり、ヒレに入る色素胞を持っている個体は徐々に色が現れて来るでしょう。
ウロコは体長が7.5〜7.8mmを越えてくるとはえてきます。ヒレは約10mmを超えてくる頃には鰭(ひれ)条と呼ばれる線も見えるまでになります。
よって、体長10mmを越えてくる頃から、少しづつ親の体色に近くなります。

みゆきと楊貴妃の稚魚の色をみてみよう

メダカの中でも人気のある、みゆきと楊貴妃メダカの稚魚はどのような色なのでしょうか。早速みてみましょう。

みゆきメダカの稚魚の色

みゆきメダカの稚魚

体色は黒っぽい色をしており、この稚魚をみただけでみゆきメダカだと想像することは難しいでしょう。
ここから少しずつ成長し、ヒレが整い、ウロコもはえ揃いながら、徐々にあの白っぽい光を帯びたような体色に変化していくのです。

楊貴妃メダカの稚魚の色

楊貴妃メダカの稚魚

体色は少し黄色みを帯びたような体色をしており、楊貴妃メダカのように朱色のような色はしていません。

まとめ

メダカの稚魚の色が親魚と違う3つの理由を紹介しました。
同じ種類同士の稚魚の色が違っていても慌てる必要はありません。稚魚が徐々に成長していけば親魚に似てくるはずです。
メダカは、稚魚から親魚にかけていろいろな色を見せてくれるということも面白さの一つと言えるでしょう。

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