メダカ飼育に良いとされている青水とも呼ばれるグリーンウォーター。メダカの稚魚を成長させたいときに、グリーンウォーターだけで成長するのか気になる方は多いと思います。
今回、グリーンウォーターはメダカの餌になるのか、そしてメダカの稚魚はグリーンウォーターだけで成長することができるのか紹介します。

グリーンウォーターとは

メダカの稚魚

グリーンウォーターとは、植物プランクトンが大量に発生した水のことです。植物プランクトンは肉眼では確認できないほど小さなものですが、大量に集まることで、葉緑素によって水全体が緑色に見えてくるのです。屋外でメダカ飼育をしていると、いつの間にか飼育水がグリーンウォーターになっていることはよくあることです。
果たして、このグリーンウォーターが、メダカの稚魚に餌を与えなくていい程の条件を備えているのでしょうか。

稚魚の餌で最も重要な条件とは

指で潰したメダカのエサ

市販の稚魚用の餌の成分を見てみると、成魚用の餌よりも脂質の割合が高くなっています。
産まれてまもない稚魚は体もまだ出来上がっておらず、未成熟です。体力もなく、これからウロコも生え揃えていくにはかなりのエネルギーを必要とするのです。つまり、グリーンウォーターだけで稚魚を成長させることができるかどうかは、高栄養価かどうかにかかっているのです。
それでは、グリーンウォーターがメダカの稚魚の餌になりうるのか見ていきましょう。

グリーンウォーターは餌になるのか

顕微鏡

野生のメダカの胃袋を光学顕微鏡で観察した実験がありますが、メダカの胃袋の中に植物性プランクトンが入っているのが確認されています。よってグリーンウォーターはメダカの餌になることが分かりました。それでは、メダカの稚魚はこのグリーンウォーターだけを餌にして成長することができるのでしょうか。

稚魚はグリーンウォーターだけでいいのか

ミドリムシ

自然に発生したグリーンウォーターだけの飼育はおすすめしません。
自然に発生したグリーンウォーターは様々な植物プランクトンの集合体です。その中でも特に栄養価の高いものはクロレラとゾウリムシ、ユーグレナと呼ばれるミドリムシです。
実は、自然に発生したグリーンウォーター内でのクロレラの比率はとても低いのです。ミドリムシに関してはほとんど生存していない事が多いです。
なぜなら、栄養価が高いが故に、ミジンコのような動物性プランクトンなどに食べられてしまうからです。筆者自身も顕微鏡で自然に発生したグリーンウォーターを覗いてみました。クロレラは確認できましたが、ミドリムシは確認できませんでした。
よって、自然に発生したグリーンウォーターは栄養価が低いことも考えられるため、グリーンウォーターだけを餌にするような極端に偏った稚魚飼育はおすすめしません。

それでもグリーンウォーターだけを餌にしたい方

スポイト

通販でクロレラやミドリムシを購入することが可能ですので、添加してあげれば良いでしょう。しかし、メダカ以外の生物もクロレラやミドリムシを食べてしまうので、毎日適量添加してあげなければなりません。

稚魚にグリーンウォーターは向いているのか

グリーンウォーターの中を泳ぐメダカ

栄養面

自然発生したグリーンウォーターはクロレラやミドリムシの割合が低い可能性があるため、餌としては補助的な役割しか果たさないという考えがいいかもしれません。きちんと産まれたときから稚魚には餌を与えた方が良いでしょう。
グリーンウォーターの中でも特に栄養価が高いのがミドリムシですので、ミドリムシを添加したグリーンウォーターであれば、十分餌として役目を果たせるでしょう。

水の透明度

稚魚は成長に個体差があるため、成長の速度に併せて容器を移したりエアレーションを導入したりしなければなりません。グリーンウォーターを使うと、容器の中が見え辛いため、稚魚の成長度合いだけでなく、病気や死魚の確認ができない場合があります。

まとめ

グリーンウォーターは餌になりますが、自然発生したグリーンウォーターは栄養価が低く、餌やりの補助的なものとして捉えておくのが良いでしょう。
稚魚の成長を促すのであれば、ミドリムシを添加するか、稚魚用の栄養価の高い餌を与えるのがいいでしょう。

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