メダカを飼育していると、メダカの産卵回数は気になってくるものです。毎日産卵してくれる個体や3〜4日おきに産卵する個体など、皆様の飼育環境によって様々だと思います。
今回は、メダカの産卵回数が決まっているのかどうかや、そこから見えてくるメダカの生涯の紹介していきます。

産卵回数を決めている卵母細胞

ピンクの球体

メダカのメスが生涯産卵できる数は決まっています。それは、メスが持っている卵母細胞(卵となる細胞)の数が決まっているからです。
その卵母細胞の数は約4000〜5000個です。
一度に産卵する卵の数は、10〜20個程度です。ある個体の卵母細胞の数が5000個と仮定し、一度に産卵する卵が10個だとすると、産卵可能な最大回数は500回となります。

産卵回数と寿命の関係

卵を持ったメダカ

メダカが生涯に渡って行う産卵と寿命は密接に関係しています。

生殖巣が萎縮して生殖寿命を終えると、多くのメスはホルモンも出なくなり、体調を崩して、いわゆる更年期障害で死ぬ。

青弓社:『メダカと日本人』より引用

4月中旬〜9月中旬の約5ヶ月間毎日産卵を行うとすると、約150日産卵することになります。そうすると、この個体の寿命は500÷150=約3年ちょっとの寿命となるわけです。
飼育下におけるメダカの平均寿命は約2年半〜3年であり、産卵回数から算出した寿命と照らし合わせても数値的には近いです。
産卵に適した飼育環境下におけるメダカは、きちんと決められた回数の産卵を行って生涯を全うするのかもしれません。

環境で異なる産卵回数と寿命

生と死の天秤

ニホンメダカが初めて交尾・産卵を開始するのは、実験室では孵化が5〜6週であるが、自然条件下では4〜6ヶ月である。
発生開始後の性的成熟に要する期間は、個体密度、餌、水温、光量や運動量によって変化する。

大学教育出版:『メダカ学全書』より引用

飼育環境下や自然条件下での寿命の差が出てしまうのは、性的成熟にも関係している個体密度、水温光量や運動量が影響しているのかもしれません。飼育下での平均寿命は約2年半〜3年であるのに対し、自然条件下では1〜2年と言われています。産卵環境が整いにくい自然条件下において、1〜2年で全ての卵母細胞の数を産卵することは難しいでしょう。
よって、生涯での産卵回数は決まっていますが、その回数全てをこなせるのは、環境にかなり左右されると言っていいでしょう。

まとめ

メダカの産卵回数は決まっています。その限られた産卵回数の中で、産卵できる条件が整うことがメダカの生涯の中で何回あるのでしょうか。自然界では整いにくい条件も、飼育環境下では人が整えることが出来ます。
メダカはかんたんに飼育できますが、メダカの産卵回数や寿命を決めるのは飼育者なのかもしれません。

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