飼育しているメダカを観察していると、水槽(容器)に小さな貝が…
入れた覚えのない生き物がいると、どこから来たのか、害がないのか不安になりますよね。
今回は、飼育容器に現れる貝とその影響についてご紹介します。

貝の正体は

サカマキガイとモノアラガイ
サカマキガイ(左)とモノアラガイ(右)

メダカ飼育において、一部の貝(スネール)はタンクメイトとして利用され、販売もされています。
しかし、入れた覚えのない貝が容器内を徘徊している場合、サカマキガイ、またはモノアラガイである可能性が高いと思われます。
サカマキガイは殻が左巻きで触角はひも状、モノアラガイは殻が右巻きで触角が三角形という特徴で見分けられます。

どこからやってくるのか

水草の上を移動するサカマキガイ

水中・水辺に分布している生き物であり、自ら移動して侵入することは考えられません。
ものに付着した状態、特に新しく導入した水草などに付着したまま、一緒に投入してしまうことが混入の主な原因と考えられます。
小さな貝、およびその卵や稚貝ともなると発見は難しく、混入する可能性は高いです。

メダカに害はある?

容器に産み付けられた卵嚢
容器に産み付けられた卵嚢

サカマキガイ・モノアラガイともに雑食性で、飼育容器内では藻類や水草、動物の死骸、微生物、メダカのフンや餌の食べ残しなどを食します。
生きたメダカを襲って食べることはまずありませんので、メダカにとって直接的な害はなく、コケや残餌処理としてのメリットすらあります。
一方で、雌雄同体で繁殖力が高く、大繁殖してしまうおそれがあり、ゼラチン質の卵嚢に覆われた卵をどこそこ構わず産み付けるため、水槽(容器)の景観を損ねます。

対策

駆除

ピンセットでつままれている貝

見つけ次第ピンセットなどで排除する方法は地道な作業ではありますが、続けていけば数は少なくなります。卵を産み付けられた後であれば、また新たな個体が発生するため、長期的な対応が必要になります。
貝を捕食してくれる魚や貝も存在しますが、メダカよりも厳しい管理が必要であったり、容器内に生体を増やすことによる環境変化や水質悪化のリスクが生じます。
また、各メーカーより駆除用の薬剤や、捕獲器なども販売されています。

混入予防

トリートメント中の水草

能動的に侵入することはありませんので、水槽(容器)に新たにものを導入する際に、付着していないか、よく観察し見つけ次第排除することが効果的です。
水草の場合、貝の他にもプラナリアやヒルなどの混入リスクもありますので、導入まえにはトリートメント(消毒・洗浄)を実施することをおすすめします。トリートメント用の薬剤も販売されていますが、水道水を用いた、洗い流し・つけ置きを行うだけでもリスクを減らすことになります。
40℃程度の高温水での洗浄は、貝の対策として有効ですが、水草にもダメージを与えてしまうおそれがあるため注意が必要です。

大繁殖してしまったら

水草についた大量のサカマキガイ

地道な駆除が不可能なほど繁殖してしまった場合は、水槽(容器)の壁面・底面から、水草や流木はもちろん、底床、フィルターなど、容器に入れているものをすべて洗浄、または廃棄せざるをえないでしょう。高温に強いものは、高温水での洗浄をおすすめします。2~3日間天日干しを行うと、万が一卵などを見逃してしまっていても、死滅させることが可能です。
リセットとなると、飼育に有用なバクテリアなども含め、飼育環境を一から整える必要が生じてしまいますので、大繁殖する前に手を打っておきたいところです。

まとめ

いつの間にか飼育容器に混入してしまう小さな貝たち。
メダカに対する直接的な害はありませんが、見た目の問題もあり、あまり好まれるものではありません。
大繁殖してしまうと、飼育環境自体のリセットも必要になってきます。
そうなる前に、予防と駆除で地道に数を減らしていきましょう。

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