メダカ飼育において、底床の有無、種類は悩みどころのひとつです。
今回は、メダカ飼育でも用いられることの多い赤玉土の特徴についてご紹介します。

赤玉土とは

赤玉土

赤玉土は、火山灰層である関東ローム層から採掘される赤土です。
高い通気性や、バランスのとれた排水性と保水性をもち、主にガーデニングや盆栽など園芸用として利用されます。肥料成分(有機物)を含まないため、虫や菌がつきにくいとされています。粒の大きさごとに、大粒・中粒・小粒・細粒などに選別して販売されています。
メダカ飼育においては、飼育容器の底床として使用するのが一般的です。

メダカ飼育における赤玉土の特徴

バクテリアの棲家

大磯砂と赤玉土

赤玉土をふくむ噴出性火山灰土壌は多孔質であり、バクテリアの棲家に適していると言われています。
硝化バクテリアは、メダカのフンや餌の食べ残しから発生する有害なアンモニアを、毒性の低い硝酸まで分解(硝化)するはたらきがあり、水質悪化の抑制や、メダカにとって良い水をつくる上で大切な要素です。

pH値

pHを表すイラスト

土にもpHが存在し、赤玉土のpH値は5~6程度の弱酸性です。
そのため、赤玉土を底床として採用した場合、pHが弱酸性に傾くおそれがあります。
メダカは、弱酸性~弱アルカリ性のpHに対応できますが、急激な変化はメダカを死なせてしまう原因にもなります。飼育容器への投入や、別環境からの引っ越しの際には、慎重な水合わせを行うなど注意が必要です。

グリーンウォーター

グリーンウォーター

赤玉土は、グリーンウォーターと相性が悪いとされています。
先述のとおり、赤玉土は窒素を分解する硝化バクテリアの棲家となり、また、

赤玉土等の非晶質性火山灰土壌はリン酸を強く吸着する活性アルミニウムや鉄を多く含み、リン酸吸収係数が高いことが知られている。これら資材によるリンの除去は、リンが難溶化し資材粒子に化学的に強く吸着されたことによるものと推測される。

『畜産浄化槽処理水に対する各種資材の吸着能力調査』より引用

とされており、リンへの高い吸着力が示されています。
植物プランクトンは、窒素やリンを栄養として利用するため、グリーンウォーター化を妨げます。反対に、クリアウォーターでの飼育を楽しみたい方には、赤玉土の使用は適していると言えます。

価格

コストカット

赤玉土は10ℓ超でも数百円程度の価格で販売されており、アクアリウム用の底床材と比較し、非常に安価です。また、ホームセンターや、100円均一などでも販売されており、入手自体も容易です。

使用における注意点

使用前に洗う

ザル

赤玉土の表面に付着したゴミや、崩れて粉状になったものを除去するために洗います。
メダカ飼育に利用することを考慮すると、カルキを含んでいない水を使用するのがいいでしょう。
底が見える程度まで濁りが薄まるまでを目安に、ザルなどにあけて軽く濯ぐか、注水と排水を繰り返して洗いましょう。
セッティングの際の注水で微小な粉塵が舞い濁ることがありますので、メダカの投入は、濁りが収まってから行うのが理想的です。

交換が必要

赤玉土とメダカ

長期間使用を続けていると、粒が崩れてきてしまいます。
このような状態では、水換えの際に濁りが発生しやすくなったり、フィルターを使用している場合、目詰まりの原因になります。また、特徴のひとつでもあるリンの吸着力も低下してくるとされています。
そのため、粒の様子を見ながら、半年~1年程度を目安に交換を行いましょう。
交換は、定着しているバクテリア等の観点から、全てではなく1/3~半分程度ずつ日を空けての実施をお勧めします。

まとめ

赤玉土は、水質浄化能力や価格など、底床として利用するのに優れた点の多い資材です。一方で、グリーンウォーター化の妨げや、pH値の変質など、飼育環境そのものを変化させてしまう要因にもなります。
他の飼育環境との兼ね合いも含めて、好みにあわせて導入を検討してください。

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