貝(スネール)は、メダカの共生できる生き物のひとつです。
貝の生態による効果は、メダカにとっても有用なものも多く、好んでメダカ飼育に利用されるものもいます。
今回は、メダカ飼育に関わりの深い貝(スネール)についてご紹介します。

サカマキガイ

サカマキガイ

1cm程度の小さな貝です。多くの巻き貝と異なり、貝殻が左巻きであることが名前の由来と言われています。
食性は広く、藻類や傷んだ水草、動物の死骸、微生物、メダカのフンや餌の食べ残しなどを食しますが、生きたメダカを食べることはありません。
基本的には無害な貝ですが、意図せずとも、いつの間にか飼育容器にいることも多く、生体や卵が水草などに付着した状態で持ち込まれることなどで混入します。
卵はゼラチン質の卵嚢に覆われており、水草や容器の壁面から、投げ込み式フィルターやヒーターの表面まで、どこにでも産み付けられ、景観を損ねます。雌雄同体であり産卵数も多いため、気が付くと大量発生してしまいます。
水質汚染にも強く、汚れた環境でも生きていくことができます。

モノアラガイ

モノアラガイ

2.0~2.5cm程度の右巻きの貝です。
食性が広く、ゼラチン質の卵嚢を産む、雌雄同体と、サカマキガイと共通する点が多いです。
サカマキガイ同様に、特に害のある貝ではありませんが、ゼラチン質の卵嚢や大量発生などのため好まれません。
水質汚染にはやや弱く、環境悪化やサカマキガイなどの繁殖により、野生環境における数は減少しています。

ラムズホーン

レッドラムズホーン
レッドラムズホーン

ラムズホーンはインドキラマキガイの英名で、アルビノ種や色素変体を固定したレッドラムズホーン、ピンクラムズホーン、ブルーラムズホーンなどの種類が存在します。3cm程度まで大きくなります。
食性は広く雑食ですが、特に、生き物の死骸、メダカのフンや餌の食べ残しをよく食べます。フンはバクテリアのすみかにもなります。
雌雄同体で、また一度交尾を経験した個体であれば1匹でも産卵が可能であり、サカマキガイやモノアラガイ同様、大量発生により景観を損ねるおそれがあります。アルカリ性に傾いた水質でよく殖えます。

イシマキガイ

イシマキガイ

出典:『貝の図鑑』より引用

2~3cmの半球形の殻をもつ貝です。殻頂部分が欠けているものが多いです。
メダカのフンなども食しますが、主に藻類や細菌類の形成するバイオフィルムを好み、水槽のコケ取り要因として活躍します。
海水と淡水の混じる汽水域から河川の中流域(淡水域)にすみ、幼生時代を汽水域~海水域で過ごすため、淡水飼育では繁殖ができません。

ヒメタニシ

ヒメタニシ

タニシの中では小型で、3~4cm程度の大きさです。
雑食性で、水槽のコケ取りから、死骸や餌の食べ残しの処理まで広く活躍します。
また、濾過摂食により飼育水中の栄養分や植物プランクトンを食するため、水質浄化の効果も見込めます。意図してグリーンウォーター飼育をしている場合は、クリアにしてしまうため入れない方がいいでしょう。
卵ではなく稚貝を産む卵胎生のため、卵で水槽の景観を損ねることもなく、また雌雄異体のために大量発生がしにくいのも特徴です。弱アルカリ程度の水質を好みます。

まとめ

メダカ飼育と関わりの深い貝(スネール)についてご紹介しました。
それぞれの習性や効果も異なりますので、飼育環境や見た目の好みなどにあわせて利用してみてください。

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