卵をつけたメスを見つけ、そして、卵が孵り元気に育っていく過程は、メダカ飼育の醍醐味を味わっているといえます。
しかし、整った環境下では、メダカは毎日産卵し毎日孵化します。
そのまま、メダカが増えていくとどのようなデメリットがあり、増えすぎを防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?
目次
メダカの繁殖力
メダカのメスは、卵のもととなる卵母細胞を4000〜5000個持っていると言われています。
全てが卵となり産卵されるわけではありませんが、1匹のメスが数千個の卵を産めるだけのスペックがあるということです。
メダカは小さな魚であり、自然界における対生物という点では非常に弱い生き物です。 次の代へと種を継いでいくために、数によって、生物としての弱さを補ってきたのでしょう。
メダカが増えすぎる原因
飼育環境下において、屋内ではメダカ を捕食するような天敵はまず発生することはありません。
屋外でもヤゴの混入や小動物への対策をきちんとしていれば、メダカが他の生物に冒されることは、ほとんどないでしょう。
加えて、産み付けられた卵を採卵し、個別に孵化をさせていれば、メダカはあれよあれよと言う間に増えていくでしょう。
増えすぎることのデメリット
管理が難しくなる
卵を無事に孵化させ、稚魚を健康的に育成するためには、採卵・孵化後、サイズごとの管理が望ましいため、メダカの成長度合い(×種類)の飼育容器が必要になります。
容器が増えればその数だけ、水作り、餌やり、水換え(掃除)のなどの管理が必要なり、手間や負担も増えることになります。また、容器を置くだけのスペースも必要です。
過密飼育になる
メダカの容器の増設には限界があるため、それを超えてくると、容器1つあたりで飼育する数を増やすかたちになってきます。
メダカ飼育における飼育数の目安は、1リットルあたり1匹程度とされており、それを遥かに超えるような飼育環境では、水質悪化やストレス、酸欠などにより、メダカが体調を崩しやすくなってしまいます。
また、稚魚は成魚よりは1リットルあたりの飼育数は多めでも大丈夫ですが、過密飼育になると、生育が進みにくくなったり、背曲がりの原因になるおそれもあります。
メダカを増やしすぎないためには
メダカが産卵できる環境は、メダカの健康や生育にとっても良い条件が揃っています。
増えすぎを防ぐためだけにその環境を崩してしてしまうのは、メダカにとって好ましくありません。
採卵をやめる
メダカは自分の卵やこどもであっても、口に入るサイズであれば、エサにしてしまいます。卵や稚魚を親から守る意味合いもある採卵・隔離ですが、これをやめることによって、親魚によって淘汰され、増えすぎを防ぎます。
運良く捕食を免れ成長できる個体が出てきた場合は、愛情をもって育ててあげましょう。
餌やりを見直す
産卵には膨大なエネルギーを必要とします。
反対に言えば、産卵にさけるだけのエネルギーがなければ、卵は産みません(または、産卵数が減ります)。
餌の量や頻度を、メダカの様子を見ながら減らしていくことで、過剰な産卵=増えすぎを防ぐことができます。
産卵用の高タンパクの餌を与えているような場合は、餌喰いをみながら、餌の種類を見直してもいいでしょう。
増えすぎても放流しない
メダカはもともとは自然環境、小川や田んぼなどで生活していた魚です。
しかし、一般に飼育されているメダカは体色や体形など、遺伝的に改良されたメダカであり、野生種と交配してしまうと、野生メダカ本来の形質を損ねてしまうおそれがあります。
飼育しているメダカを自然に放流することは、絶対にしてはいけません。
まとめ
メダカはいちど環境が整うと、飼育環境下における十分な給餌と天敵の不在によって、簡単に繁殖してくれます。
しかし、繁殖は容易でも、数が増えてくれば維持管理は難しくなってきます。
自分の環境をみながら、管理ができる範囲内でメダカ飼育を楽しみましょう。