共食いの可能性は、生き物を飼っていて不安に思うことのひとつです。
温厚な性格なメダカでも共食いすることはあるのか、また、どのような状況で共食いが起こるのでしょうか。
今回は、メダカの共食いについてご紹介します。
目次
成魚どうしは共食いしない
メダカの成魚が同じ成魚と共食いすることはありません。
メダカは雑食でなんでも食べますが、基本的には自分の口に入る大きさ、つついてほぐせる程度のものに限られます。
そのため、弱っている個体や死んでしまった個体をつつくことはあるかもしれませんが、共食いが原因で成魚が死んでしまうことはまずありません。
共食いが起こる場合
成魚と稚魚
メダカの成魚と稚魚を同じ容器で飼育している場合、稚魚が食べられてしまうことがあります。
特に、卵から孵ったばかりのメダカ(=針子)は、4mm程度の大きさしかありません。対して、成魚は4cm前後の大きさです。
メダカは、自分の口に入る大きさのものは餌にしてしまうので、成魚にとって、この大きさの稚魚は餌と変わりません。
成魚と卵
稚魚と同様に、卵も成魚の餌になります。
メダカの卵は1.5㎜程度と体の割には大きいですが、成魚の口には十分に収まるサイズです。たとえ自分が産んだ卵であっても食べてしまいます。
産卵された卵をそのままにしていると、口の端に卵をつけた状態で泳いでいる成魚をみることもあります。
稚魚と稚魚
卵や稚魚を成魚から隔離していても油断はできません。
メダカはほぼ毎日卵を産みますので、数日遅れで毎日稚魚が孵ります。
稚魚にも個体差があり、同じ時期に産まれても体格に差がでてきます。
先に体が大きくなった個体が、成長の遅い個体や、孵ったばかりの個体を食べてしまうということはよくあります。目視しづらい濃いグリーンウォーターで飼っている場合などは、たくさんいたはずの稚魚が、気が付いてみたら体格のいい1匹だけに、ということも十分ありえます。
メダカの共食いを防ぐには
メダカは基本的には共食いはしません。
自分より体の小さい、口に入る大きさのものを餌と誤認して食べてしまうだけなのです。
そのため、体の小さな稚魚(針子)や卵を守ることが、共食いを防ぐことになります。
別の容器に移す
メダカを繁殖させて楽しみたい方は、卵を産んだ段階で、産み付けられた水草や産卵床を別の容器に移して管理しましょう。
稚魚同士の共食いを防ぐためには、1cm以上の個体は移動する、など基準を決めて体格ごとに別容器で管理することが理想的です。
1.5~2cm程度まで育てば、成魚と同じ水槽に移しても捕食されるおそれはないでしょう。
隠れられる場所を設ける
飼育スペース等の問題で容器を増やすことできず、成魚と卵・稚魚を隔離できない場合は、水草などを多く入れて、稚魚が成魚から隠れられる場所をつくってあげましょう。また、餌を満遍なく与え、成魚の空腹状態を減らすことで、稚魚の生存率が多少あがります。
餌を与える際には、稚魚の口にも入るようにすりつぶしたものを与えると良いでしょう。
まとめ
体のサイズが近い個体同士であれば、共食いが原因で死んでしまうことはまずありませんが、体のサイズが小さな針子や稚魚を、餌と誤認して食べてしまうことがあります。
メダカを繁殖させて楽しみたい場合は、小さな個体は隔離して飼育してあげましょう。