メダカは環境には強いですが、対生物となると脆弱な生き物です。
天敵の発生しづらい飼育環境下においても、メダカ自身がその卵や稚魚を捕食してしまいます。
そのため、繁殖を目的とした飼育を行う場合、産まれた卵を取って隔離してあげる必要があります。
産卵場所
メダカは卵の表面の付着糸を利用して、卵を産み付けます。
産み付ける場所を設けてあげることで、卵の回収が簡単になります。
水草
主に根や茎に卵を産み付けます。
メダカ飼育においては、マツモやアナカリス、ホテイソウ(ホテイアオイ)、ウィローモスなどが一般的です。
人工産卵床
浮かせるたこ足タイプ(卵トリーナ)や、チュール生地製のボール型、ヤシ(シュロ)からつくられるものなどさまざまです。いずれも、産卵場所として有効です。
商品として販売もされていますが、自作できるものもあります。
容器の底
うまく産み付けられなかったものや、親魚が底面に体をこすった際に落ちたものなどが、容器の底に転がっていることがあります。
ピンセットやスポイトで、回収できます。
直接採卵
メスがぶら下げている卵塊を、綿棒や筆(刷毛)などで直接こすり取る方法です。
卵の捕食防止や、希少な卵を保護する際など、主に卵を一粒たりとも無駄にしたくない際に行われます。
少なからずメダカの体に負担をかける方法になりますので、慣れと注意が必要です。
管理方法
回収したまま
水草や人工産卵床を回収したまま孵化容器に入れておくだけの方法です。
水をはった容器に入れるだけなので、手間は一切かかりません。
また、水草や産卵床はミジンコ等の動物性プランクトンや、バクテリアのすみかになっていることがあるので、孵化後の環境づくりにも有効です。
※水道水を使用すると、バクテリアはカルキが原因で死んでしまうことがあります。
一方で、卵が塊のまま付着していることが多いため、付着糸や孵化後の卵殻が原因で、水カビの繁殖を招くことがあります。最低限、無精卵やカビた卵の除去を行ってから隔離するのが良いでしょう。
孵化ネット・サテライト
親魚との隔離と、水づくりの煩雑さを解消した管理方法です。
親魚と同じ水で飼育することで、将来的な合流も容易になりますが、水質が孵化率に影響を与えることがあります。
個別に分離
直接採卵した卵や、水草・産卵床に産み付けられた卵を、一粒ずつに分けて管理する方法です。卵をガーゼやウェットティッシュの表面で転がすとことで、付着糸や汚れが除去できます。
手間がかかりますが、無精卵や発見・除去、水カビの予防、卵の個数確認として有効です。
まとめ
メダカの採卵は、メダカを繁殖させる上で必要になってくる工程です。
採卵の方法によって、手間のかかり方や孵化率に影響が出ますので、飼育目的にあわせた卵の管理を行いましょう。