メダカも生き物である以上、餌を食べ、フンをします。
自然環境ではフンを処理する必要などはありませんが、生活空間が限られる飼育下においては、フンを放置することでメダカに悪影響を及ぼすことがあります。
今回は、フンがメダカに与える影響と、処理の方法をご紹介します。
目次
フンを放置すると
メダカのフンはアンモニアを発生させます。
アンモニアはメダカにとって毒性が強く、中毒をおこすとメダカを死に至らしめることもあります。アンモニアは硝化バクテリアによって、亜硝酸、硝酸へと分解され毒性を弱めてはいきますが、硝化バクテリアは定着・分裂に時間を要することから、水槽の立ち上げ直後や、ベアタンクで飼育している場合などは、特に注意が必要です。
メダカを毒性のある物質から守るためにも、定期的な水換え、そして発生源となるフンの除去はメダカを飼育する上で大切な要素です。
フンの処理方法
メダカのフンを処理するには、基本的には物理的な除去が必要になります。
いずれの方法も、フンと一緒に飼育水の排水も行われますので、水換えと同時に行うか、減った分の足し水を行ってください。
スポイト
容器の底面に溜まったフンを吸い取るだけです。
目視で確認しながらの作業になりますので、ベアタンクや、粒の粗い底床を使用している場合に適しています。
粒の細かい底床(砂利など)の場合、目詰まりなどのおそれがあります。
ポンプ
底床として粒の細かい砂や砂利(大磯砂など)を使用していると、見た目には分かりづらいですが、隙間にフンが堆積していきます。
スポイトを使用してもある程度は処理できますが、水作『プロホース』やGEX『砂利クリーナー』など、底床ごと吸い上げて、フン(および残餌など)のみを除去できるポンプタイプを使用した方が効率的です。
処理の頻度を減らすには
フンがメダカにとって有害な物質の原因となる以上、処理は必ず必要になります。
しかし、飼育環境を整えることによって、水質の悪化をゆるやかにし、処理の頻度を減らすことは可能です。
過密飼育をしない
メダカの数が多くなれば排泄されるフンの量も増え、また飼育容器が飼育数に対して小さすぎると、水質の悪化が早まります。
1匹あたり1リットル以上を目安に飼育することで、飼育水あたりのフンの量を減らし、水質の悪化をゆるやかにします。
バクテリアを定着させる
メダカのフンを発生原因とするアンモニアは、硝化バクテリアによって、毒性の弱い硝酸まで分解(硝化)されます。
飼育容器内にバクテリアを定着させることによって、アンモニアの分解を促進させます。 バクテリア剤や、定着できる濾材、エアレーションを導入することで、バクテリアの定着をはやめることができます。
ヌマエビ・貝を入れる
ヌマエビや貝(スネール)たちは、餌の食べ残しやコケなどの他、メダカのフンも処理します。
水草を入れる
水草は育成にリン・カリウムの他、窒素(アンモニア・亜硝酸・硝酸含む)を必要とするため、飼育環境内に水草を導入することによって、メダカのフンによる悪影響をゆるやかにすることが可能です。
まとめ
メダカ飼育を行ううえで、フンの処理は必ず行わなければいけない作業です。
飼育環境によって、方法や頻度は変わりますが、自分の飼育環境にあわせた処理を行い、メダカを健康的に飼育してあげましょう。