夏、気温が高くなるにしたがって水温も高くなります。
メダカ飼育においても、飼育水の水温が高くなりすぎると、様々なリスクが生じます。
今回は、高水温におけるリスクと、水温の下げ方・水温の上昇の予防についてご紹介します。
目次
水温上昇によるリスク
限界水温を超える
メダカは水温変化が緩やかであれば、かなり広い水温域で生きていけます。
しかし、メダカが活発に活動できる水温は16~28℃であり、38℃を超えると体調を崩しやすくなったり、死んでしまう可能性が高くなります。
※日常的に30℃で飼育されたメダカは、およそ42℃の高温まで耐えたという実験結果も報告されています。
水質悪化
メダカのフンや残餌を分解しアンモニアを発生させる従属栄養細菌は、~37℃までは活発に活動します。
しかし、アンモニアを硝酸へと分解してくれる硝化バクテリアは、水温が30℃を超えると分裂・活動が弱まるため、水質悪化が早くなる危険性があります。
酸欠
水温が高くなるとメダカも活発になる=消費する酸素量が増えることに加え、酸素が水に溶けにくくなることで、酸欠をおこすおそれがあります。
溶存酸素の割合は、水面の広さにも影響されます。水面(空気に触れる面)の狭い容器で飼育されている場合は、酸欠の危険性があがります。
孵化への影響
28℃以上で飼育されたメスが産んだ卵は、細胞分裂時に異常が起きやすくなります。
また、28~34℃程度の水温下で孵化させると、稚魚の奇形率が高くなる、孵化率が下がるなどの影響がみられ、34℃以上では孵化率はさらに低いものになります 。
暑さ対策(水温調整)
直射日光を避ける
太陽光は健康なメダカを育てる上で重要な要素ですが、同時に水温を上昇させる要素でもあります。1日のうち、あまりに直射日光が当たりすぎるような場所では、水温がかなり高温になってしまうおそれがあります。
午前中のみ日光の差すような東向きの場所に容器を配置するか、屋外であればすだれやよしずで容器の半分ほどに日陰をつくってあげることで、水温の上昇を和らげることができます。
室内飼育であれば、太陽光の量をカーテンなどで調整してあげましょう。
風通しをよくする
空気に触れさせることで、気化熱によって水温の上昇を和らげます。
屋外であれば(直射日光を防いだ上で)、風通しの良い場所を確保してあげましょう。
室内では、水槽向けに小型のファンなども販売されていますが、使っていない扇風機などでも代用できます。気化熱の場合、水面に触れる空気を入れ替える必要がありますので、水槽の蓋は外してください。
容器を床面に直接置かない
屋外飼育の場合、コンクリートやアスファルトなどの床面は、夏場極端に温度が上昇していることがあります。容器を床面に直接設置してしまうと、熱が直接つたわってしましますので、すのこなどを敷いて、その上に設置した方が良いでしょう。
容器
容器の水量が少ないと、外気や日光の影響を受けやすく、水温は上昇しやすくなります。
また、同じ材質の容器の場合、黒>透明>白の順番で、太陽光による水温上昇の影響を受けやすくなります。色揚げなどを目的から人気の黒色の飼育容器ですが、夏場は日光との調整が必要です。
発泡スチロール水槽や、容器に断熱材を巻くことによって、水温の上昇を緩やかにすることが可能です。
やってはいけないこと
水温をさげるために、冷えた水や、氷を入れるようなことはやってはいけません。
メダカは急激な水温変化に弱いため、体調を崩したり、死んでしまったりするおそれがあります。
まとめ
夏場の水温対策は、メダカを健康に育てる、無事に孵化させるためにも、大切な要素です。
対策自体は、そこまで難しいものではないと思いますので、メダカのためにも、しっかりと対策をしてあげましょう。