メダカの寿命は、飼育環境下においては2年半~3年程度であるとされていますが、飼育環境に著しい影響を受けます。
せっかく可愛がっているメダカには長く生きていてほしいものです。
今回は、メダカが死んでしまう原因をまとめました。
pHショック
メダカ購入直後に多いのがpHショックです。
メダカは、弱酸性~弱アルカリ性の水質に対応できる魚ですが、今まで飼育されていた水質(pH)と、新たな飼育環境の間に急激な変化が起こると、死んでしまうおそれがあります。
水合わせによって解決できるものなので、購入直後には焦らずゆっくりと水質に慣らして行きましょう。
塩素(カルキ)
水槽の立ち上げや、換水の際に水道水を直接使用すると、殺菌を目的に添加されている塩素(カルキ)も、メダカにダメージを与えます。幼魚や若魚は特に塩素に敏感です。
成魚の飼育水の5分の1程度の換水に際しては、ほとんど影響はないとも言われていますが、慎重な飼育を行う上ではカルキ抜きを行った水を使用するのが無難です。
水質悪化
メダカのフン、餌の食べ残し、死骸、枯れた水草などは、有害なアンモニア~亜硝酸~硝酸を発生させます。
硝化バクテリアがうまく働いている環境下では、害の強いアンモニア~亜硝酸は分解され、毒性の少ない硝酸も換水で除去できます。
しかし、硝化バクテリアは定着・分裂に時間がかかりますので、水槽の立ち上げ直後は、小まめな水換えや掃除が必要になります。
長期間掃除を行っていない容器は、これらのゴミが堆積している可能性がありますので、底床の中もきっちりと掃除を行いましょう。
また、メダカの数が多くなれば、水を汚す要素も比例して増えていきます。
飼育数にあわせて、給餌の量や、水換え・掃除の頻度を設定してください。
水温
メダカは、1~40℃程度の水温でも生きていくことが可能です。
しかし、それは水温変化が緩やかな場合であり、急激な水温変化はメダカにダメージを与えてしまいます。
日中と朝夕の気温変化の激しい春・秋、気温が急激に上昇する夏の間は注意が必要です。
水温の変化が気になる場合は、容器の日当たりを調整する、発泡スチロール製の断熱・保温効果の高い容器を使用する、水量の多い容器に移す等の対策を試して下さい。
また、高水温下では、メダカの活性があがることもあり、水質の悪化が早まるおそれがありますので、注意が必要です。
水流
メダカは水流に対して逆らって泳ぐ習性があります。
メダカはもともと小川や田んぼの用水路など、流れの緩やかな場所や止水域に住んでいるため、強すぎる水流は体力を消耗させてしまうおそれがあります。
屋内飼育においては、フィルターやエアレーションによって生じる水流がメダカを疲弊させる可能性がありますので、使用の際には調整が必要です。
光
光が十分に当たらないと、ホルモンの分泌量の低下、ビタミン不足から、体力の低下や異常をきたすおそれがあります。
また、細菌が繁殖することで、間接的に病気感染の原因にもなります。
室内飼育においても、可能な範囲内で太陽光の照射する場所で飼育してあげることをお勧めします。
水槽用ライト等での照射は、メダカの生活リズムの調整としても有効です。
一方で、直射日光が当たりすぎる場所は、水温の急上昇を招くおそれがありますので注意が必要です。
酸欠
メダカも呼吸によって酸素を取り入れて生きています。
酸欠状態のメダカは、水面付近を口をあげて泳いでいることが多いです。
水草やグリーンウォーター(植物プランクトン)を使用している場合、日中は光合成によって酸素を発生させますが、日の当たらない夜間にはメダカ同様酸素を吸って呼吸します。
そのため、飼育水に対して水草が多すぎたり、濃すぎるグリーンウォーターで飼育している場合には酸欠に陥る場合があります。水草やグリーンウォーターが原因の酸欠の場合は、夜間に死んでしまうことが多いです。
水温が高くなると溶存酸素量が少なくなり、またメダカが活発になることで酸素消費量も増加しますので、夏場は注意が必要です。
餓死
メダカの稚魚(針子)の死因として多いのが餓死になります。
体力のある成魚であれば、1~2日食べなくても死ぬことはありませんが、産まれたばかりの稚魚は簡単に餓死してしまいます。
稚魚への給餌として、1日に5回程度が推奨されていますが、趣味で飼育しているような環境では、ほとんど不可能です。
そのため、生餌を与えたり、グリーンウォーター(植物プランクトン)やPSBで利用するなど、飼育水内に常に餌が存在している環境を保つことで餓死の予防につながります。
過剰な給餌は、消化不良を引き起こしたり、食べ残しによる水質の悪化を招くおそれがあるため、注意が必要です。
病気
白点病や水カビ病など、病気が原因で死んでしまう場合です。
飼育水内に常在している菌によるものが多く、過密飼育による水質の悪化、水質・水温の急激な変化を引き金に発症します。
他の個体に感染するものもありますので、病気の個体や死骸を除去したのち換水をおすすめします。
同様の症状が続くようであれば、飼育環境の見直しが必要になります。
まとめ
メダカが死んでしまう、衰弱してしまう原因は、目に見えないものばかりです。
それでも、飼育者の環境整備によって、ほとんどが改善可能です。
当然個体差もありますので、一概には言えませんが、メダカが大量に死ぬ、様子がおかしいと感じたら、少しずつでも飼育環境の見直しを行ってみましょう。