メダカも生き物である以上、死は避けられないものです。
しかし、メダカが毎日のように、次々と死んでいくような場合は、飼育環境になんらかの原因があることが疑われます。
今回は、メダカの連続死の原因とその対策についてご紹介します。

アンモニア中毒

ドクロとアンモニア

メダカのフンや尿の排泄物、餌の食べ残しなどからは、毒性の強いアンモニアが発生します。
生活空間の限られている飼育環境下で、飼育水中にアンモニアが充満している状態になると、メダカの体内にアンモニアが堆積し、アンモニア中毒を引き起こします。
中毒を起こすと、餌を食べなくなる、呼吸が乱れる、水底で動かない、などの症状がみられます。
アンモニアは硝化バクテリアによって、亜硝酸へ、さらに硝酸へと分解され、毒性を弱めていきますが、硝化バクテリアは定着・増殖に時間のかかるバクテリアであるため、水槽(容器)の立ち上げ直後や、ベアタンクでの飼育の場合などは、特に発生リスクが上がります。
アンモニア濃度は、各社より販売されている水質チェッカーで判定することができます。

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対策

水換えを行う

水槽掃除用ポンプ

水換えを行うことによって、飼育水中のアンモニア濃度を低下させます。
水換えの頻度は飼育環境によって異なりますが、アンモニア中毒が疑われる場合は、毎日1/5~1/3程度の水換えを実施してください。
水換えの際には、アンモニアの発生源となる餌の食べ残しやフンの掃除も同時に行いましょう。

餌の量を見直す

メダカ水槽へのエサやり

食べ残された餌は、アンモニアの発生源となります。
1~5分で食べられる量が1回の餌やりの目安です。5分を過ぎても残っているような餌は、スポイトなどで逐一回収できると、アンモニアの発生を予防できます。

飼育数を見直す

たくさん泳いでいる楊貴妃メダカ

メダカの排泄物もアンモニアの発生源となります。
また、飼育容器に対してメダカの量が多いと、水質の悪化を早めます。
飼育密度の目安は、1匹につき1リットルが目安になります。

硝化バクテリア

バクテリア剤

アンモニアは硝化バクテリアによって分解され、毒性を弱めていきます。
バクテリア剤を添加する、定着できる多孔質な底床(赤玉土など)や濾材を導入する、エアレーション(酸素供給)をおこなうなど、バクテリアが定着し、はたらける環境をつくることでアンモニア中毒の予防になります。

ショック症状

メダカの新規導入時、大量の水換えの後などに起こりやすいのがpHショック・水温ショック2つです。
いちど起こってしまうと、回復するか否かはメダカの体力次第です。

pHショック

メダカは、弱酸性~弱アルカリ性の広い水質(pH)での活動が可能です。
しかし、急激な水質の変化はメダカの体に負担となり、pHショックの原因になります。
異常行動(泳ぎ方、飛び出し)、体表の異常(目の白濁、鰓の充血)、呼吸の乱れなどの症状がみられます。

水温ショック

水槽の中の水温計

メダカは、変化が緩やかであれば1~40℃程度の水温にまで耐えることができますが、急激な水温変化に曝されると、体調を崩してしまいます。
餌を食べなくなる、消化不良を起こす、動きが鈍くなるなどの症状がみられます。

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対策

きちんと水合わせを行う

水合わせ中のメダカ

pHショック・水温ショックは、水合わせが不十分な時に起こりやすいものです。
時間をかけて、少量ずつ丁寧な水合わせを行うことで、ショック症状の予防になります。

大量の水換えをしない

バケツに汲み置きした水

メダカの飼育水は、底床の種類や、アンモニア・硝酸などの物質によって水質(pH)が変化しています。
水換えで使用される水は、ほとんどがカルキ抜きをした水道水(または井戸水)だと思われますが、水道水はほぼ中性に調整されています。
一度に大量の水換えを行うことによって、飼育中に緩やかに変化した水質(pH)が急激に引き戻され、pHショックを引き起こす可能性があります。
一度に行う換水は水温を合わせた上で、~1/3程度におさめましょう。

酸素欠乏

水中の泡

メダカもわたしたちと同じように生きていくのに酸素を必要とし、酸素が無くなると呼吸ができずに死んでしまいます。
酸素欠乏が起こると、飼育容器内のほとんどのメダカが水面近くに口を近づけて泳ぐ、鼻上げといわれる行動を起こすようになります。
酸素欠乏の要因としては、水温、飼育密度、水草・グリーンウォーターなどが考えらます。

対策

酸素の供給

エアストーンによるエアレーション

単純ですが、不足している酸素を補充してあげることが一番手っ取り早い対策になります。
エアレーションや錠剤タイプの酸素供給剤などがあげられます。

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飼育密度の見直し

たくさん泳いでいるメダカ

飼育数が多ければ、それだけ消費する酸素の量も多くなり、飼育水中の溶存酸素量は減少していきます。
1匹につき1リットルを目安に、飼育密度の見直しを行ってください。

水草の除去・グリーンウォーターの希釈

アナカリス

水草やグリーンウォーター(植物プランクトン)は、日中には光合成により酸素を排出しますが、日が落ちてからは呼吸によって酸素を消費します。
そのため、水草・グリーンウォーターが原因の酸欠の場合、夜間に死んでしまうことが多いです。
過剰な水草は除去し、濃すぎるグリーンウォーターは薄めてあげましょう。

まとめ

メダカの連続死は、ほとんどの場合飼育環境や管理方法に原因があります。
しかし、ひとつひとつの対策自体は、そう難しいものではありません。
考えられる原因に対して、ひとつずつ対策をして、長くメダカの飼育を楽しみましょう。

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