メダカはまた温厚な性格の魚であるため、あらそいはおこさないイメージがあります。
しかし、メダカを飼育していると、他のメダカを追いかけまわしたり、威嚇するように激しい動きをしたりと、ケンカのような動きをみせることがあります。
今回はメダカがケンカをする原因と、ケンカを防ぐ方法をご紹介していきます。
目次
メダカのケンカ

メダカは、尾で相手の体を打つケンカ行動を起こします。
おたがいに打ち合いを複数回繰り返し、勝ち負けが決まります。
負けた個体は容器の隅や底の方へ逃げ、勝った個体は追いかけや突進などの追撃を行います。
メダカがケンカをする原因
序列の明確化

個としての序列をはっきりさせるために、ケンカをすることがあります。
個体間の順位が近い場合に起こりやすく、季節や雌雄に関係なく発生します。
オス同士によるメスの取り合い

発情期を迎えたオスは、視界に入った他のオスを追い払うような動きを見せます。あらゆる生物の目的は自分の遺伝子を残すことなので、これは当然のことと言えます。
交尾の際にオスを選ぶのはメスなので、複数ペアのつもりで飼育していても、強いオス(=メスにとって魅力的なオス)がいた場合、その1匹がメスを独占することもあります 。
縄張り
けんかはやめてくれー
— めだかやベース (@medakayabase) January 16, 2020
縄張り争いかしら…#メダカ #ケンカ #水槽 #縄張り pic.twitter.com/M0Tc9AsPfo
メダカは、自然環境の中では、種として生き残るために群れで行動する習性があり、縄張りあらそいはほとんどみられません。
しかし、生活圏の限られた飼育環境下では、特に容器の底や物陰など身を隠せる場所を占有する、縄張り行動がみられるようになり、縄張りを守るためにケンカを行うようになります。
縄張り行動には、容器のサイズも影響があるようで、
1対当たり15×15×10cmの容積においてたたかい行動の頻度が最も高く、5×5×10cmで最も低い
大学教育出版:『メダカ学全書』より引用
とされています。
メダカのケンカを防ぐには
ケンカが起こること自体は自然なことですが、あまり頻繁に起こるような場合は、餌が食べられない個体や、ストレスによって弱る個体が出るおそれもあります。
では、ケンカを防ぐにどうしたら良いのでしょうか。
メダカを隔離する

一方的にケンカをしかける気性の荒いメダカがいる場合は、その個体を別の容器に隔離してみてください。いじめられていた個体が自由に遊泳できるようになったのちに戻すと、力関係がリセットされ、ケンカをしなくなることがあります。後から投入される個体よりも、ずっと同じ環境にいる個体の方が優性になることが多くなるためです。
しかし、パワーバランスが崩れることで、他のメダカ同士がケンカをはじめるようになることもありますので、気性の荒いメダカを隔離したあとも、きちんと観察を続けてください。
メダカを増やす

1匹あたり1リットルの飼育水が理想と言われるメダカ飼育ですが、ケンカが絶えないようでしたら、メダカの数を増やしてみると良いかもしれません。
飼育環境におけるメダカの割合を増やすことによって、メダカが縄張りをつくることを諦めてしまうようです。
当然、メダカの数が増えれば、その分フンなどの水質を悪化させる要因も増加することになりますので、水換えや掃除などの頻度を上げる必要がでてくる可能性もあります。
隠れ家をつくる

メダカの活動は視覚による部分が多いため、体を隠すことのできる場所をつくることで、ケンカは起こりづらくなります。
アナカリスなどの水草や石など隠れ家として入れるだけで、改善することがあります。
まとめ
メダカがケンカをすることは自然なこととはいえ、餌不足やストレスになってしまうこともあります。
平和な状態でメダカを楽しむためにも、ケンカが頻発する場合は飼育環境を調整してみましょう。


